住宅ローンの金利上昇を避けるための固定金利への借り換えは可能か?
住宅ローンを借りる立場の施主としては「低金利のときは変動金利で借りて、金利上昇したら固定金利に借り換える」が理想的です。似たようなことを考えてる人も多いと思います。
しかしながら世の中はそれほど甘くありません。このような借り方は無理に等しいです。
なぜなのでしょうか?その答えは、変動金利、固定金利、それぞれの金利が変動する仕組みに答えがあります。
目次
変動金利における金利変動の仕組み
「変動金利」は、各金融機関の短期プライムレートを基準として、半年に一度(4月1日と10月1日)に利率を見直します。短期プライムレートとは優良企業に短期間(1年以内)で貸し出す場合の利率のことです。変動金利は短期プライムレートの利率より〇%上乗せされます。
一方で短期プライムレートは市中金利に連動します。市中金利とは金融機関同士がお金を貸し借りするときの金利です。その市中金利を制御しているのが日銀の政策金利になります。政策金利とは日銀が一般の銀行に貸し出す金利です。
このことから「変動金利」は、日銀の政策金利に連動しているといえます。
固定金利における金利変動の仕組み
「固定金利」は、新発10年国債を基準として利率を見直します。金融機関としては10年もの国債より利益を得たいので、住宅ローンの利率は10年国債の利率より〇%上乗せしておこうという考えです。
変動金利と固定金利、どちらが先に金利上昇する?
金利変動の仕組みから、変動金利は1年先を予測した金利、固定金利は10年先を予測した金利だと分かります。
10年後に景気が悪くなりそうだけど、あと数年は大丈夫だろうと将来を判断したとすると、固定金利は上昇、変動金利は据え置きになると予想できます。この場合、固定金利が変動金利より先に金利上昇します。
冒頭の理想的な住宅ローンの借り方を思い出してください。
「低金利のときは変動金利で借りて金利上昇したら固定金利に借り換える」
変動金利が上昇してからでは遅いのです。
それなら国債が上昇しそうなタイミングを狙えば?、やそれは無理です。10年後は良くなると、仮に判断したとしても、不確かな遠い未来の金利を下げられないです。
金利タイプはよく理解してから借り入れよう
変動金利タイプを強く勧めるハウスメーカーの営業は、「金利は当分上がらない」「固定金利で借りるのは損」といった耳障りの良い言葉を並べてます。挙げ句の果てには「金利上昇のタイミングで固定金利に変えれば良いのですよ」なんてことも…
このタイプの営業が担当でしたら変えてもらった方が得策です。
『親切を装った怖い営業』かもしれませんよ。あなたの営業さんはどうでしょうか?
住宅ローンの金利タイプはよく理解してから選択しましょう。
素敵な家づくりになりますように!